グルーミング

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**グルーミングの目的**
グルーミングは飼い主の義務
  グルーミングとは、「毛づくろい」という意味です。
野生動物だった頃の犬は短毛で、自分で舐めて毛づくろいをしていれば十分でした。


 しかし、人間と一緒に暮らすようになり、人によって毛の長さやタイプなど身体的特徴がさまざまに改良された結果、犬自身では十分に毛づくろいをすることができなくなり、飼い主がお手入れを手伝ってあげる必要が出てきました。


 ちなみに、「トリミング」とは、ハサミやバリカンでカットしたり、テリアでは専用のトリミングナイフで毛を抜いたりして、形を整えることです。
トリミングは飼い主自身ができなければ、プロのトリマーにお任せするにしても、ブラッシングなど日常的なグルーミングは、飼い主の義務として行いましょう。


◆グルーミングでボディチェック
 「グルーミング」は、ブラッシングをすることだけでなく、シャンプー、爪切り、歯みがき、耳そうじなど、日常のお手入れ全般のことを言います。


 グルーミングを行う目的は、見た目をきれいにすることだけではありません。
犬の全身に直接触れることでボディチェックすることができ、被毛の状態、傷や皮膚病など、体の異常にいち早く気づくこともできます。
 散歩のあとは、目に見えないほこりやノミ、ダニなどが体についていることもあるので、ブラッシングする習慣を身につけるとよいでしょう。


◆愛犬と飼い主のコミュニケーションタイム
 人から体のどこを触られても嫌がらない犬にすることは、犬と一緒に暮らしていくうえで大切なことです。
飼い主にも触らせない部分があると、動物病院やグルーミングサロンに行ったときに暴れたり、
人がなでようとしたときに咬みついたりすることもあり、のちのち問題行動にもつながりかねません。


 飼い主がやさしく言葉をかけながら愛犬の体に触れることは、とてもよいスキンシップとなり、信頼関係を深めることにもつながります。
子犬の頃から人に触られることに慣らしていきましょう。


**ブラッシングのコツ**
◆ブラッシングはやさしく丁寧に
◆ブラッシングはやさしく丁寧に
 ブラッシングは、被毛をとかして見た目を整えるだけでなく、ほこりや汚れを取り除いて体を清潔にし、
皮膚をマッサージして血行をよくする効果もあります。
健康チェックとスキンシップのひとときとして、毎日のブラッシングを習慣づけましょう。


 ブラッシングは、子犬のうちから徐々に慣らしていきます。最初の頃はブラシを使わずに、やさしく声をかけながら、犬が喜ぶ首や胸をなでます。
リラックスしてきたら、背中や頭、顔、肢を順に触り、口のまわりや耳、足先、しっぽなど、犬が嫌がるところをやさしくなで、ほめてあげましょう。


 触られることに慣れたら、ブラシやコームの感触に慣れさせながら、ブラッシングをします。力が強すぎたり、無理に引っ張ったりして痛い思いをさせてしまうと、ブラッシング嫌いになってしまうので、最初は無理をせずに短い時間から始め、毎日少しずつ時間を延ばします。


◎ブラッシングに必要な道具
 犬用のブラッシングの道具には、いくつかのタイプがあります。
被毛のタイプやペットの好みに合ったものを選んで使い分けましょう。


<スリッカーブラシ>
 曲がった細い針金がついていて、抜け毛やもつれ毛を効果的に取り除くことができます。
皮膚に当たると痛いので、力を入れすぎないように注意して、手首を動かしながら軽くとかします。長毛種向き。


<ピンブラシ>
 毛先が丸く、針金が太いので、被毛や皮膚を傷つけません。長毛種や短毛種向き。


<ラバーブラシ>
 とかす部分がゴムでできていて、浮いた抜け毛を絡めとります。
皮膚のマッサージ効果もあります。グローブタイプのものもあります。
ブラシの歯は短いので、短毛種向きで長毛種には不向き。


<獣毛ブラシ>
 毛づやをよくする効果があります。短毛種向き。
 

<コーム>
 金属製のクシ。ブラッシングをした後に、コームでとかして仕上げます。
粗目と細目の両方を備えたタイプが便利です。


◆犬種別お手入れ方法
 ブラッシングはスキンシップのためにも、毎日行うのが基本です。
春と秋の換毛期は抜け毛が多いので、とくに念入りに行いましょう。


<滑毛種の場合>
パグやドーベルマンのように、なめらかで短い毛をもつ犬はお手入れも簡単。
まず、ラバーブラシなどで毛の流れに逆らってとかして抜け毛や汚れを落とし、次に獣毛ブラシで毛の流れに沿ってブラシをかけて整えます。


<短毛種の場合>
コーギーやラブラドール・レトリーバー、柴犬のように、やわらかい下毛と上毛をもつ短毛の犬は、スリッカーやピンブラシで抜け毛をとり、もつれ毛をほどきます。
毛を手でかき分けながら、毛の流れに沿ってとかし、コームでとかして仕上げます。


<中・長毛種の場合>
長毛種はスリッカーやピンブラシでていねいにとかします。
ヨークシャー・テリアやマルチーズなど、絹のように細く長い被毛の犬は、とくに毛がもつれて毛玉ができやすいので、念入りにブラッシングします。
毛先がとけていても根元のほうが固まっていることがあるので、毛をかき分け、毛の流れに沿ってとかした後、コームで仕上げます。
コリーやシェルティ、ポメラニアンのように、長い上毛と密集した下毛がある場合は、スリッカーやピンブラシなどで下毛の抜け毛をしっかり取り除き、毛の流れに沿ってコームで整えます。


◆毛玉は少しずつほどく
 長毛種では、わきの下やお腹、後ろ足のまわりなど体が擦れるところや、耳の後ろや顔のまわりなど犬がよくかくところは毛玉ができやすいので、日頃からしっかりブラッシングしましょう。


 もし、毛玉ができてしまったら、コームとスリッカーで、ていねいに少しずつほぐしていきます。無理にほぐそうとすると犬はとても痛がるので、決して無理に引っ張ったりしないでください。毛玉が大きくなり、フェルト状に固まってしまうとほぐれなくなるので、犬の皮膚を傷つけないように注意しながら、ハサミやバリカンでカットします。


毛玉がひどい場合は、トリミングサロンなどでケアをしてもらうとよいでしょう。
毛玉は皮膚炎などの原因にもなりますので、毎日のブラッシングでしっかりケアしてください。


**歯磨き**
◆歯磨きの習慣をつけよう
 犬が食事を終えたら、歯ぐきを磨いてやるようすると、歯槽膿漏を予防することができます。
 犬の歯も、何もお手入れをしていなければ歯石がつきますし、ひどくなると歯周病になります。
 人間同様、歯石予防のために、犬も食後の歯みがきを習慣化するとよいでしょう。


◆上の奥歯はとくに念入りに
 当然のことながら、犬は自分で歯をみがくことはできないので、飼い主がみがいてあげます。
子犬のうちから、口のまわりを触ることに慣れさせておき、最初は指で軽く歯肉をマッサージします。
 慣れてきたら、人差し指にガーゼを巻いて、歯と歯肉の表面を軽くこすります。


歯みがき剤をしみこませた、犬の歯みがき用のガーゼも市販されています。
犬用、または小児用の歯ブラシを使うと、さらに効果的です。
犬歯や上の奥歯のあたりはとくに歯石がつきやすいので、ここだけでもしっかりみがきます。


 やわらかいものばかり食べていると歯石がつきやすくなるので、歯ごたえのあるものも与えるとよいでしょう。
  犬がどうしても受け付けない場合は、ともかくかたい物(チューインガム等のかじる物)をやってください。


**目・耳のお手入れ**
◆目ヤニや涙やけはこまめにケア
 シーズーやパグなど目と鼻の高さに差のない犬種では、目ヤニや涙が出やすくなります。
目ヤニや涙が出ていたら、湿らせた脱脂綿やウェットティッシュで軽くふきます。
涙は放っておくと、毛が赤く変色して「涙やけ」が起こります。
ひどくなると目のまわりの皮膚がただれてくることもありますので、涙や涙やけが激しいときには、獣医師にご相談ください。


◆たれ耳の犬は耳の毛を抜いて通気性をよくする
犬の耳は、大きなひだが複雑に入り組んでいるので、垢がまたりやすく、とりわけ耳の垂れた犬は、耳垢がひどいようです。 
指にガーゼを巻いて、耳を傷つけないように、優しくふき取ってやりましょう。
綿棒を使う時は、垢を耳の中へ押し込んでしまわないように注意しなければなりません。


 ペットショップなどで市販されているイヤーパウダーを事前にふりかけると、毛のすべりが抑えられて抜きやすくなります。
耳の皮膚をつままないように注意しながら、無理をせずに指の届く範囲で抜きましょう。
◆汚れがひどい場合は動物病院へ


シャンプーのコツ**
◆シャンプーは1〜2ヶ月に1回が目安
 体の汚れ具合は、運動量や生活環境、被毛の状態などによって異なります。犬の皮膚や被毛には、ほどよく脂質がのっているので、ひんぱんに洗って落としてしまうのは決して好ましいことではないのです。シャンプーは犬用のものを使います。


 冬場のシャンプーは風邪をひかせないように注意してください。また、体調が悪いときのシャンプーは避けましょう。


◆シャンプー前にはブラッシングと肛門のう絞り
シャンプー前には必ずブラッシングをして、被毛のもつれや毛玉をほぐします。
毛玉が残ったまま濡らすと、完全に固まってしまい、ほぐれなくなります。
ブラッシングした後に、コームでとかして引っかかるところがないように確認します。


また、たくさんの抜け毛を流すと、排水溝がつまる原因にもなるので、抜け毛はできるだけ取り除いておきましょう。
 また、シャンプーをする前に、肛門の下側の「肛門のう」という部分にある、独特のニオイのする分泌物を絞り出します。
この分泌物は通常はウンチと一緒に分泌されますが、余分にたまりすぎると炎症を起こしたり、肛門のうが破裂したりすることもありますので、シャンプーのときに絞ります。


 肛門のうは、肛門を時計盤の中心とすると4時と8時の位置に左右1つずつあります。
絞るコツはしっぽを上に持ち上げ、人差し指と親指でつまむようにして、下から上に押し上げて絞り出します。
あまり力を入れすぎると肛門を傷つけてしまうことがあるので、自分でできなければ、トリミングサロンや動物病院などでやってもらいましょう。


◆シャンプーの手順
まずブラッシングで毛玉を取り、毛の汚れを浮かす

全身を洗い流す(耳や顔に水をかけないようにシャワーは犬の体に近づける)

足に汚れがたまりやすいので最後に確認する

犬に身震いさせるため、しばらく風呂にいさせ、タオルで水気をふきとる

ドライヤーでかわかす


◆シャンプー嫌いの犬はシャンプーを極度に嫌がる場合は、無理をせずにプロに任せるとよいでしょう。
また、水を使わずに、ブラッシングするだけで、汚れやニオイがすっきりとれるグルーミングシートがあります。
シャンプーを嫌がる場合や冬場のシャンプーを避けたいときなどに便利です。


**爪切り**
◆伸びすぎた爪は犬にとっても危険
 床がコンクリートの場所で飼われている犬や、よくアスファルトの上を走っているような犬の爪は自然にすり減って、とがったり、長く伸びたりすることもありませんでした。


 しかし、室内で飼われている犬や、あまり活動していない老犬は、爪が長く伸び、とがってきて人に傷をつけてしまうことがあります。
放っておくと伸びすぎて先が曲がって歩きにくくなったり、カーペットなどにひっかかって折れたり、肉球にくい込んだりすることもあります。 部屋の中を歩いたとき、カチャカチャと爪が当たる音がするようなら、伸びすぎなので、カットする必要があります。人間の爪は平らですが、犬の爪は筒状になっています。
犬の爪を切るときは、人間の爪切りではなく、犬用の爪切りを使用してください。


◆爪の中の血管を切らないように注意
犬の爪は厚みがあって中心に血管が通っています。
深く切ってしまうと、神経にさわるので犬は非常に痛がり、また出血するとなかなか止まりません。
深爪で痛い思いを経験した犬は、爪切りに懲りて、次から爪を切ろうとすると、嫌がって暴れるようになることもあります。


 爪が白い犬の場合は、血管がピンク色をしているので、その手前で切って角を少し落とします。
黒や濃い色で血管が見えない場合は、切りすぎないように注意しながら先端を切ります。深爪をして出血した場合は、慌てずに脱脂綿などで押さえて止血します。なかなか出血が止まらない場合は、市販の止血パウダーなどをつけます。
飼い主が動揺すると、その動揺が犬に伝わり、ますます不安になるので、あくまでも冷静に対処しましょう。


 爪を切った後は切り口がギザギザしているので、ヤスリをかけて平らにします。ヤスリは往復でかけると爪がささくれだってしまうので、一定方向にかけます。 切り残しがないよう、全部の爪を切ります。特に、前肢内側の地面につかないところにある狼爪(親指)は見落としがちですが、自然にすり減ることはないので、先端をカットしてください。
狼爪は後ろ肢にある犬もいます。 シャンプーをした後は、爪がふやけていてやわらかいので、爪が大きくて硬い大型犬などは切りやすくなります。


◆爪切りを嫌がるときは2人で協力して
爪切りが苦手な犬の場合は、2人で協力して行うとよいでしょう。
1人が犬を抱きかかえて肢を押さえ、もう1人が爪を切ります。はじめのうちは、1日1本ずつでもよいので少しずつ慣らしていきます。
どうしても嫌がって切らせない場合は、トリマーや獣医師などのプロにお願いしましょう。



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