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**基本のしつけ**
◆日常生活で「オスワリ」「フセ」を活用する
 しつけで一番大切なのは、「オスワリ」「フセ」「マテ」などを教えることだけでなく、どんなときでも飼い主の指示に愛犬が従うことができるような信頼関係を築くことです。
 愛が「オスワリ」や「マテ」を覚えたら、もうそれでしつけは完了したと思う人もいるようです。
しかし、本当に大切なのは、きちんと覚えた「オスワリ」「マテ」を日常生活の中でどのように活用するかということ。
「オスワリ」「フセ」などは動きを止めて待つ行動なので、飼い主への服従心や自制心を養うのに役立ちます。


◆根気よく、じっくりと教える
 日常生活に必要な服従訓練の基本は、「オスワリ」「フセ」「マテ」「オイデ」の4つです。
これらを教えるポイントは、はっきりと号令を出し、一つ一つを着実に覚えさせること。
1回2〜3分のトレーニングを1日4〜5回に分けて行うとよいでしょう。長時間の集中トレーニングでは犬が疲れたり飽きたりして、効率はよくありません。
完全にマスターするまで、焦らずに時間をかけてじっくり教えます。
 また、何時からがしつけの時間と決めると、「この時間だけやればいいや」と犬は考えます。
いつどんなときでも号令に従えるようにするには、時間を決めずにランダムにトレーニングするとよいでしょう。


◆「オスワリ」のトレーニング
 頭の上でオモチャや食べ物など愛犬が好きなものを見せ、やや後ろに動かします。見上げるような姿勢になるため、自然と床に腰を下ろします。「オスワリ」と言いながら誘導し、床にお尻がついた瞬間に、たっぷりほめてごほうびを与えます。

★ポイント/オスワリの号令は1回で。
何度も「オスワリ、オスワリ」と言うと、「オスワリ、オスワリ」が正しい号令だと勘違いします。


◆「フセ」のトレーニング
 まずオスワリをさせて、犬の鼻先におやつなどをかざし、それを犬の前方の床まで移動させます。
犬がつられて体を低くすれば、自然に「フセ」の姿勢になります。
胸を床につけたら、ほめて、ごほうびを与えます。
次に「フセ」と言いながら、同じ動作をくり返します。

★ポイント/なかなか「フセ」ができない場合は、低い場所をくぐらせて必然的にフセの姿勢をとらせる方法もあります。飼い主が床に片足を折って座り、もう片方の足は伸ばして前に投げ出し、その足の下をおやつで誘導しながらくぐらせます


◆「マテ」のトレーニング
 犬と並んで立ち、オスワリをさせて犬の気持ちを飼い主に引きつけます。
次に手のひらを犬の顔の前に向けて、「マテ」と言いながら犬の正面に立ちます。


このとき、犬が動こうとしたら、もう一度「マテ」と言いながら手のひらを犬に向け、動きを制します。
犬が動かなければ、少しずつ後ずさりをして犬から離れます。じっとしていられたら、ほめて、ごほうびを与えます。

★ポイント/「マテ」ができたら
「ヨシ」と声をかけて開放します。
ごく短い時間から始め、少しずつ時間を延ばしていきます。


◆「オイデ」のトレーニング
 まずは名前を呼び、愛犬が飼い主に注目したら、腰を落としてやさしく「オイデ」と声をかけます。
はじめのうちはごほうびなどで誘導し、愛犬が駆け寄ってきたら、たっぷりとほめます。
室内で完全にマスターしたら、屋外でリードをつけて練習します。


★ポイント/何をしていても、「オイデ」と言われたら動作を中断して、すぐに飼い主の元に来るようになることは、
オスワリやフセ以上に犬との暮らしの中では大切なことです。


**トイレのしつけ**
◆初めが肝心!トイレトレーニングの基本
 トイレのしつけは、室内で愛犬と快適に暮らしていくためにとても大切なこと。
子犬のうちにしっかり教えておかないと、いつまでたっても「部屋中がトイレ」という悲惨な状況になりかねません。


 室内のトイレの場所を覚えさせるには、子犬が家にやってきた最初の数日が肝心です。
子犬が落ち着けるようにケージや段ボールを用意し、初日はその中に子犬を入れて、
最初のオシッコをしてから部屋に入れるようにします。
そのとき、ケージの中に事前にその子犬のニオイをつけたトイレシーツなどを入れておけば、
自分のトイレの場所が確認しやすくなります。


◆サインを見逃すな!トイレのタイミング
 生後2カ月前後の子犬は、オシッコをあまり長時間我慢できません。
そわそわして床のニオイをかいだり、クルクル回ったり、しゃがみこんだら、トイレに行きたいサインです。
また、寝起きや食後、運動の後もトイレのタイミングです。
オシッコの頻度は、子犬ではだいたい2〜3時間おきですから、タイミングを見計らってトイレに連れて行きます。
犬がなかなかしなくても焦らずに、根気よく排泄するのを待ち、ちゃんとできたらたっぷりほめてあげましょう。
 最低1週間、一度も間違えずに自分のトイレでオシッコやウンチができるようになるまで気を抜かず、しっかり世話をしてあげてください。


◆失敗しても叱らないで!そそうときの対処法
 犬が望ましくない行動をしたときは、体罰ではなく「ダメ!」と叱ります。
このときに、中途半端にやさしい声で「ダメ」といっても、犬は叱られていることが理解できません。
大声で怒鳴りつける必要はありませんが、冷静にきっぱりと「ダメ」と言います。
ほめるときと同様に、叱るタイミングも現行犯です。叱られて行動をやめた場合は、たっぷりほめてあげることも大切。
 叩いたり怒鳴ったりするのは、犬を萎縮させるばかりで、効果はありません。


◆困った行動をやめさせる「天罰」と「無視」
 犬がトイレを失敗しても、騒いだり叱ったりしないでください。
飼い主が騒げば注目されることがうれしくて、ますますトイレ以外の場所でするようになるし、叱られれば排泄自体が悪いことだと思って、飼い主に隠れてするようになることもあります。
現行犯でしている最中ならば、大きな声で排泄を中断させ、抱き上げてトイレに連れて行き、できたらほめます。


 そそうの痕跡を見つけたら、犬に声をかけずに冷静に後始末をします。ニオイが残っているとまたその場所でする可能性もあるので、きれいにふき取ります。床や家具にそそうした場合は、オシッコをふき取った後に、「かんたんマイペット」などの住居用洗剤でニオイを取り除きます。カーペットへのそそうは、乾いた布かティッシュで吸い取ってオシッコの広がりを防いでから、水で絞ったタオルで押すように拭き取ります。
次に「かんたんマイペット」をタオルにスプレーして押すようにして何度か拭き、お湯で固く絞ったタオルで拭きます。


 もし、成犬が突然、トイレ以外の場所でするようになったら、行動や健康面でのトラブルが考えられます。
原因を突き止め、それに見合った対策をとる必要があります。


**食事のしつけ**
◆食事中にうならない犬にしよう
 「食べる」ことは、本能が支配する行為です。
食事中に食器や体に触れられると、犬は横取りされると思い、反射的にうなったり攻撃したりすることがあります。
ひどい場合は、そばを通っただけでも攻撃するようになり、咬みつき行動に発展することもあり危険です。
日頃から犬の食事中に「おいしい?」などと声をかけ、食事中でも触られることに慣らしておきましょう。
 このしつけは子犬の頃から行うことが大切です。
子犬が食事中にうなったとしても、叱ったり食事を取り上げたりしてはいけません。そうすると、犬は「やっぱり横取りされる」と思い、食事を守るためにますます行動が激しくなります。
 食事中に近づくとうなる場合は、食事を取り上げるのでなく横からフードを追加します。人の手が伸びてくるのは横取りされるのではなく、いいことがあると教えれば、うなることもなくなります。
 また、食器からこぼれたもの、床に落ちているものは食べさせないことが基本です。
これを許していると、散歩のときに拾い食いをするようになってしまいます。


◆家族の食べ物を与えない
 人間の食べ物のおすそわけはやめましょう。
気まぐれに与えれば、家族の食事中に食べ物をしつこくねだるようになります。
人間の食事は犬にとっては塩分や糖分が多く、カロリーが高すぎるので、犬の健康のためにはよくありません。
また、犬が自分の食事を食べなくなってしまうこともあります。
 食卓に手をかけるようなことがあったら、「イケナイ」と厳しく叱って足を払い、二度としないように徹底的にしつけます。
 また、家族より犬のほうが順位が下だと自覚させるには、飼い主が先に食事をした後に犬に与えるようにします。


◆遊び食いはさせない
  食事を食べ終わるまで、途中で遊び食いなどをさせないようにします。食事中に遊びだしたら、すぐに連れ戻します。それでも遊びをやめない場合は、食べかけでも食器を片づけてしまいましょう。
 食べ残しをそのままにしておくのは不衛生ですし、食事の区切りもつきません。
食べ終わって空になった食器もすみやかに片づけましょう。


**ハウスのしつけ**
◆室内でも犬のくつろぎ空間を与える
 「ハウス」とは、犬をキャリーバッグやケージに慣らすためのしつけです。犬の祖先はもともと、洞穴をすみかにしていたので、ケージのように身を包み込めるスペースがあると安心します。
室内で暮らしていても、犬がひとりきりでゆったりくつろげる「ハウス」があるとよいでしょう。
 普段から「ハウス」に入る習慣がしっかり身についていれば、一緒に旅行に行くときや外出先でも、犬も抵抗なく入ってくれます。
それが、苦手な動物病院にいくときだけキャリーバッグやケージに入るということでは、キャリーバッグ=不快・不安になってしまい、いざというときになかなか入ってくれません。
 犬がいたずらをしたときなどに「ハウス」に入れてしまう人がいますが、ハウスがお仕置き部屋になってしまうのも問題です。
また、ケージの中にトイレを入れている人も多いようですが、犬は本来、寝床以外のところでトイレをする動物。
くつろげるはずのベッドとトイレが一緒では、落ち着ける空間にはなりません。


◆「ハウス」のトレーニング
 ケージやキャリーバッグに慣らすには、犬にハウスの中が楽しい安心できる空間であると教える必要があります。
ケージの中に大好きなオモチャや食べ物を入れておいたり、ケージの入り口で食べ物を与えたりしてから犬を中に入れて犬をほめ、ハウスの中は楽しいところだと印象づけます。
慣れてきたら、「ハウス」という号令をかけながら、ハウスの中にオモチャやおやつを入れ、犬が入ったらほめることをくり返します。
 ハウスの中でひとりで過ごせるようになると独立心も養われ、おとなしく留守番できる犬になります。


**散歩のしつけ**
◆散歩の目的を正しく知ろう
 犬の散歩というと、「運動不足解消」や「排泄をさせるため」に行うものと考えている人が多いようです。それだけが目的ならば、小型犬は散歩に行かなくても室内だけで十分に満たされてしまいます。

 しかし、散歩は「運動」や「散歩」だけでなく、社会化の場としてもとても重要です。子犬の頃にしっかりと社会化ができていても、その後、他の犬や人に会う機会も少なく、刺激の少ない生活をしていると、せっかく身についた社会性が消滅してしまいます。
社会化を継続させるためにも、外に出てさまざまな環境に触れる必要があるのです。
 また、犬にとっても気分転換にもなりますし、老犬には外からの適度な刺激が老化予防にもなります。
そして、飼い主との格好のコミュニケーションの時間にもなります。


◆引っ張りぐせをやめさせる
 リードを持っている飼い主を、犬がぐいぐい引っ張っている風景をよく見かけます。飼い主がリードをしっかりコントロールしていないと、大型犬に引っ張られて転んでケガをしたり、他の人や犬に飛びかかったりする危険性があります。
また、犬が道に落ちていたものを拾い食いしてしまうことも。
腐ったものや毒入りのものを食べてしまったら、犬の生命も危険にさらされてしまいます。
 飼い主を引っ張りまわしている犬は、飼い主よりも自分のほうがエライと勘違いしてしまいます。すると、家族のなかの順位がくずれ、いろいろな問題行動などが起こる可能性も大いにあるので、引っ張りぐせは早めに治すべきです。

 子犬の頃から散歩のルートは飼い主がきちんと決め、自由に歩かせないことが大切。リードは短めにもち、主導権は飼い主にあることを犬にわからせます。
もし、犬がリードを引っ張ったらその場に立ち止まります。
無理に引っ張り返せば、犬は前に行こうとさらに強く引っ張るので逆効果。
犬がリードを引いたら冷静に立ち止まり、自分のところまで戻ってきたら、犬をほめてまた歩き出します。

 どうしても引っ張りぐせが治らないときには、ヘッドカラーなど行動を矯正するための専用グッズもあります。


◆「ツケ」ができればなおよし
  また、犬が飼い主の横に並んで歩けるように、「ツケ」という号令を教えておくとよいでしょう。ツケができれば、他の犬や人に向かっていきそうになったときでも、冷静に対処することができます。
 リードをつけて犬と並んで立ち、アイコンタクトで犬が自分に集中していることを確認したら、「ツケ」という号令をかけて一歩前に進みます。犬がついてきたらほめて、ごほうびをあげます。
これを前や後ろ、斜めなどいろいろな方向でくり返して「ツケ」の意味を犬に教えます。
 「ツケ」や「コイ」などの指示にきちんと従うことができれば、たいていの散歩のトラブルは防げます。


◆散歩の内容は変化をもたせて
 一般的に犬の散歩は「朝夕2回」と言われていますが、時間を決めてしまうと、その時間になると「散歩に連れて行って!」と犬が期待して、少しでも遅れると吠えて催促するようになることもあります。
すると、吠えるから連れて行くという、飼い主にとってはあまり楽しくない義務になってしまうことも。
犬は散歩に行ければ満足なので、必ずしも時間をきっちり決める必要はありません。

 また、散歩はただ歩くだけでなく、歩く、駆け足、ボール遊び、「オスワリ」「マテ」などしつけのトレーニングなどを取り入れると、刺激も増え、楽しみも倍増します。



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