子犬のしつけ

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子犬のしつけ

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しつけの考え方・いろいろな方法
ポイント1 なにより大事な子犬のしつけ
ポイント2 問題となる犬の生格
ポイント3 犬が健康でなければしつけは失敗する
ポイント4 犬と正しいやり方で十分遊んでやっているか
ポイント5 犬は十人十色、だからいろいろな方法を考えよう
ポイント6 犬の誤解・人の誤解
ポイント7 褒める・叱るは臨機応変に
ポイント8 犬に天罰と見せかけるいろいろな方法
ポイント9 仲間外れにされる事を犬はいちばん嫌う
ポイント10 何度も、何度も繰り返す
ポイント11 少しずつ、慣れされる
ポイント12 犬をリーダーにしない
ポイント13 飼い主がご機嫌なら犬もハッピー
ポイント14 去勢・避妊をするのは犬にとって悲しいこと?
ポイント15 犬は社会勉強を、生後2〜4ヶ月で行ないます。
ポイント1 何より大事な子犬のしつけ
@ 犬はリーダーの指導のもと、群れで暮らす動物です。
 犬は家族(群れ)の中でリーダーは誰で、自分は群れの中で何番目か、という事を常に意識しています。
犬をしつけるとき、この事がいちばん重要です。
幼い子供は自分よりも順位が下であるとだいたいの犬は考えます。


A 一定の時期にある事柄を学ばないと一生、学ばせる事が困難になる場合があります
 生後7〜12週目くらいに飼い主がリーダーなのだと、正しく理解させ、他の人・犬・動物と仲良くさせ、
騒音などに慣らす事が、将来、問題のない同伴犬をつくり出す基礎になります。
・電気掃除機とじゃれる犬 ・飼い主に抱かれて町の騒音を聞く犬 ・犬や猫どうしで遊ぶ子犬 ・来客を歓迎する子犬


B 犬が精神的に嫌がる事に犬を慣れさせる事により、飼い主の権威を示します。
この姿勢をさせ、手足の先端、口、耳、陰部など、
どこでも触れられるようにしておかないと、
あとで(特に病院で)困る事になります。 
・服従の姿勢(子犬を仰向けにして手で押さえる)

エサ、おもちゃを取り上げる 寝ている場所をどかす
 犬が反抗してきたら、@ABのいずれかの方法で罰します。
@首をつかんで犬を持ち上げて振る A両頬をつかんで持ち上げて振る、
あるいは声で強く叱る
B胸の下に押さえ込む
ただし、殴る・蹴るの苦痛を与える体罰は絶対禁物です。
重要な事は、犬が歯を剥いたら、毎回必ず、家族全員が叱る事です。
犬によってはすぐ服従するようになりますが、性格の強い犬に飼い主の権威を認めさせるには2〜3ヶ月かかる場合もあります。


Cリーダーは一貫性を保ちます
 子犬が求めているリーダー像とは、優しくとも一貫性をもった毅然たる態度の飼い主です。
決して犬に苦痛を与える暴力を振るう人ではありません。
犬が悪さをしたら、見逃す事なく、
毎回、叱る必要があります。
クッションは別の部屋に
見張る事ができない場合には、
犬が悪さをできないようにしておきます。


 子犬が求めているリーダー像とは、優しくとも一貫性をもった毅然たる態度の飼い主です。
決して犬に苦痛を与える暴力を振るう人ではありません。
 また、子犬のときに許された事(ソファーの上になるなど)は、成犬になっても許すべきです。


D犬の求めるリーダーは、快活で正しいやり方でよく遊んでくれる人です


E思春期には注意します
 犬種にもよりますが、思春期は生後7〜12ヶ月くらいの間に訪れる事が多いのです。
犬の階級闘争とは、突き詰めれば生殖の権利を得るためです。
ですから、思春期になると非常に反抗的になる犬がいますから
注意しましょう。
おとなしくブラシをかけさせてくれる犬
ブラシをかけると牙を剥く犬


F 1歳すぎたら、立派なおなと
 子犬の成長は人間の10数倍早いので、この大事な時期にしつけないと、あとでうまくいかなくなります。忘れてはならない事は、この年齢の犬に反抗されても、人間の大人ならば、ほぼ確実に勝利がおさめられる、という事です。


ポイント2 問題となる犬の生格
 同伴犬としての飼いやすさを見るために、「支配性、従属性、独立性」の3要素を重視します。


1 支配性の強い犬
 いわゆるリーダータイプで、対人関係においても上に立つ機会を常にうかがっています。
・リードを引っ張って歩く  ・飼い主に交尾の姿勢をする犬
 このようなタイプの犬は特に子犬のときから注意して育てる必要があります。
しかし、うまく育てれば忠実でよい番犬になる場合も多いのです。


2 従属性の強い犬
 飼い主をリーダーと認め、従順に従う、飼いやすい犬です。このような犬に手荒な罰は禁物です。
・叱る飼い主の前で仰向けになる犬 ・叱ると尿を漏らす犬


3 独立性の高い犬
 あまり家人と一緒にいる事に関心がなく、愛撫に対しても冷淡です。
したがって、訓練、特に「来い」のしつけが難しい場合があります。
逆に留守番などははりあい平気でします。


ポイント3 犬が健康でなければしつけは失敗する
 犬が問題行動を起こしている場合、まず健康を疑う必要があります。
いちばん関係があるのは、トイレのしつけと膀胱炎、腸炎、寄生虫ですが、栄養不足と食糞症、咬み癖と体の痛みなどに関連が見られる場合もあるでしょう。


 まず信用のおける獣医師に健康診断をしてもらいましょう。
膀胱炎(ぼうこうえん)
の犬
下痢便の犬

ポイント4 犬と正しいやり方で十分遊んでやっているか
犬の問題行動にはさまざまな原因が考えられますが、
まず第一に疑う事は、運動不足により体中にたまった衝動(例えば狩猟衝動)が
十分に発散され心身共に満足しきっているか、という点です。


 本来、犬は広大な庭に放しておくか、自由に山野を歩き回れるようにして飼うのが理想であり、
都会で飼うのはそもそも犬には気の毒なのです。
ですから、犬を飼うとき、まず考える事は運動の問題です。


 ともかく運動後、犬が満足しきった表情で横になり、
一休みする程度の運動を朝晩させなければなりません。


 犬が何か思わしくない行動をし始めたら、第一に健康、第二に運動が十分か、を確認してください。


    
     羊を追い込むコリー
牧羊犬、そり犬は、1日100km近く走るといわれています。この運動により、心身の健康が保たれるのです。

団欒する家族の中で
満足そうな犬

鎖の先端で訪問客を咬もうとする犬

鎖を切った犬が、泣いて走る子どもを追いかけている

犬を甘やかし、
飾りたてる飼い主
   
    たくさんの肉を与える飼い主
犬にとって本当によい飼い主はと、美食を与え、なでて甘やかす人ではなく、時間を十分に割いて、
犬のストレスを発散させ、社会で生活するための正しいルールを教えてくれるひとです。

散歩に出すにせよ、遊んでやるにせよ、
犬に主導権を渡しては、なりません。
リーダーである飼い主が全てを
きめなければなりません。

ボールを前に置いて
吠える犬


引き綱を持った飼い主が
戸口の所で犬を座らせている

ポイント5 犬は十人十色、だからいろいろな方法を考えよう

・だいたいの犬は飼い主に撫でられる事を喜びます。
特に独立性の強い犬は愛撫される事に
関心がない場合があります。


・ほとんどの犬にとって、見捨てられる事が
いちばん悲しい事なのです。

・犬によっては、飼い主に無視されるより、
叩かれるほうを好む場合があります。
関心をもってもらえた事がうれしのです。

・だいたいの犬に対してはエサは強力な
魅力をもっています。
でも、稀にはこんな犬も…。
罰を与えるにせよ、褒めてやるにせよ、犬によってその効果はまちまちです。あなたの犬の性格をよく理解しましょう。


ポイント6 犬の誤解・人の誤解
 犬と人間はまったく異なった表現、受け止め方をする異種の動物なのです。
これを念頭においておかないととんでもない誤解が生じます。


 どの飼い主も必ず、一度は経験するトイレのしつけを例にとって、どのように誤解が生まれるのか
考えてみましょう。これ以外にも、いろいろな思い違いが人間と犬の双方にあるはずです。
 相手の立場を理解し尊重する、というのは人間社会における民主主義の原則だけではありません。

@飼い主の側の床に排尿する子犬

A首を捕まえ、叩く飼い主
子犬の受け止め方/オシッコをするといじめられるんだ

B飼い主の見えない所で排尿する子犬
子犬の受け止め方/飼い主が見ていないから、ここは安心

C追いかける飼い主と逃げる子犬
子犬の受け止め方/じゅうたんの上でオシッコ
をすると鬼ごっこができるんだ!

子犬の受け止め方/何て乱暴な事をする飼い主だろう
       (じゅうたんを汚したことはもう忘れている)
このような例も…
○飼い主の留守中に壊した本(子犬は壊した本のことはもう忘れている)

帰宅した飼い主が子犬を罰する
犬の受け止め方/飼い主が帰るといじめられるんだ

犬が本を壊している最中に罰せられないと、
何で叩かれるか理解できません。
○犬によっては、こんな誤解も…

@来客に吠えて叩かれる犬
犬の受け止め方/客が来るといじめられるんだ。


A来客に咬みつく犬
犬の受け止め方/飼い主にいじめられる原因はお前(客)なんだ!
○飼い主の肩に手をかける犬

飼い主の受け止め方/親愛の情を示しているんだな
犬の考え方/お前はオレの家来だぞ
○犬が飼い主の手を咬んだあと、その手をなめる 飼い主の受け止め方/悪い事をしたと思って
謝っているんだな
犬の考え方/オレの強い事がわかっただろう。
だからもう、逆らうのはやめるんだな
(咬んだ相手の手を鎮めようとしている)


ポイント7 褒める・叱るは臨機応変に
肯定的強化(褒美)否定的強化(罰)

                                   肯定的強化(褒美)

 犬が好ましい事をしたとき、犬にとって嬉しい事が起きれば、その行為を繰り返すようになります。
犬が命令を実行したら、褒める、なでる、遊びなど、犬の喜ぶことをしてやれば、犬は命令をよく
聞くようになります。

「座れ」の命令を受けて座る犬

ビスケットをもらう犬

なでられて嬉しそうに舌を出す犬

ボール遊びをしてもらう犬


◆有効的なエサの使用方法
 子犬の「来い」のしつけは子犬が到着してすぐ、食事を利用してしつければ早く覚えます。
一食分の分量をいくつかに分けて、褒美のもらえる回数を増やしていくのも一つの方法でしょう。
 食事以外にエサを使うならば、なるべく少量、しかも犬の健康によいものにします。


一般にエサをやり過ぎる人が多いのですが、ドッグフード、ビスケット、チーズ、などを小さな
ボタン程度与えれば十分です。エサと同時に「ヨシヨシ」といいながら胸をなで、 オーバーに飼い主の満足を表現しましょう。


◎第一段階 ◎第二段階 ◎完成
飼い主が喉をなでてやりながら
ビスケットをやり、「ヨシヨシ」
といっている。犬は座っている。
褒美は与えず、「ヨシヨシ」といいながら
喉をなでてやる飼い主。犬は座っている。
離れた位置から命令する飼い主が
「ヨシヨシ」といっている。犬は座っている。
あるしつけが「完成」したら、「第一段階」の褒め方は、次のステップのしつけに取っておきます。


でもたまにこんな犬もいます。犬によって、有効な褒め方を考えなければいけません。

・なでられてもそっぽを向く犬

・ビスケットを見ても横を向く犬

       ・転がるボールに関心のない犬


○気がつきにくい肯定的強化(褒美)
こんな肯定的強化に注意!
・食事の下でエサをもらう犬
うるさくした犬をしずめようと、食事中に物をやれば、「うるさくした」=「何かもらえた」となり、犬にとっては肯定的強化となります。犬はもっともらおうと、ますますうるさくなります。
・自転車を吠えながら追う犬
縄張りを守る、あるいは狩猟の衝動から、自転車を追いかける犬の行為は、
「走っていく自転車
(犬にとっては逃げていく自転車)を見る満足感」により、肯定的に強化されます。
・本を壊して嬉しそうに叩かれる犬
奇妙な事ですが、犬によっては飼い主に無関心でいられるより罰を受けるほうを喜ぶ場合があります。
・粗相をした子犬を追う飼い主
子犬は飼い主が「鬼ごっこ」をしてくれたと考えるかもしれません。
これも肯定的強化です。


                                否定的強化(罰)
・テーブルの物を食べようとする犬を叩く飼い主
犬が好ましくない事をしたとき、犬の嫌がる事が起きれば、
犬はその行為を繰り返さなくなります。
叩く、蹴るなどの体罰は昔から行なわれている方法ですが、
好ましくない性格の犬をつくるので、避けなければなりません。
このように飼い主がしくんだとわからない罰は
「天罰」として受け止められるので大変効果的です。
肯定的強化も否定的強化も、「犬の行為が起きてから5秒以内」に用いないと効果は期待できない、と考えが、
欧米では広く支持されています。


 私たちがしつけを行なう際、常に考えねばらなない点は、自然の状態において、犬、狼のリーダーが
どういうしつけ方法を用いるだろうか、という事です。
つまり彼らが用いる方法をまねれば、子犬にとって理解しやすいはずです。
 「子犬だから多めにみよう」という誤った考えが、将来の問題犬をつくるのであります。
ただ、その罰し方は、子犬に理解しやすい方法でなければ意味がありません。
正しく罰する事で、犬に「飼い主の権威を認めさせる」事が重要だからです。


【声で叱る】 

犬・狼/子狼に唸る母狼
  
飼い主/子犬を声で叱る飼い主
 金切り声は飼い主の悲鳴ととられるので、ドスのきいた声で叱ることが大切です。
 足を開き、両手を上げるか開くかして、体を大きく見せるとより効果的です。
【自分のほうが力があると示す】

犬・狼/
@狼の首を咬んで振る母狼

飼い主/子犬の首をつかんで振る飼い主・子犬の両頬をつかんで持ち上げる飼い主

飼い主/A子狼を仰向けに引っ繰り返す母狼

飼い主/子犬を引っ繰り返し、
押さえ込む飼い主
【自分がいなくなる】

犬・狼/岩に登って子狼を避ける母狼。下で子狼が吠えている
     
    飼い主/吠える子犬を残し外出する飼い主
犬を痛がらせても効果は少なく、危険な犬をつくるだけです。犬がまだ小さいうちに「人間のほうが力があるのだ」と示してやれば、それで十分です。犬は大きくなっても、自分がもう飼い主より力がついた、と気づく事は少ないのです。
原因/犬を叩く・蹴る飼い主

結果/通行人の足を咬む犬

結果/手に咬みつく犬
犬も体罰を加えると、人間のちょっとした動作にもおびえるようになり、反射的に咬む場合があるのです。

正しい方法でしつけられた犬/
声で飼い主が叱ると耳を伏せ、
恐縮した態度で飼い主の足元に来る

間違った体罰を与えられた犬/
声で叱る飼い主を見ながら卑屈な態度で逃げていく


ポイント8 犬に天罰と見せかけるいろいろな方法
 ●飼い主が叱らずに、犬の嫌がる「否定的強化」を考えた方か有効な場合があります。
例えば何かいけない事をしたときに、空き缶にガラス玉やコインを入れて大きな音のする物をつくり、犬の近くに投げてやるのです。


 では、どういう場合に飼い主が直接罰し、あるいは「天罰」を使用したらよいのでしょうか?

@飼い主の制止に従わず他の犬を攻撃しようとする犬
 「飼い主の命令に従わない」のですから、
その権威を無視した事になります。

A食器の近くで飼い主に唸る犬
 飼い主の権威に対する挑戦です。
ですから、飼い主は自分の権威を示すため、
犬を自ら罰する必要があるでしょう。
 ●ところが、次の場合は飼い主の権威に対する直接の挑戦ではありません。

・ドアを引っかく⇒ドアに飛びつく犬にかけられるホースの水

・穴を掘る ⇒ 穴を掘る犬の手にはさまるバネ式ネズミ取り

・テーブルをかじる犬の近く
で破裂するクラッカー

室内で小便をする子犬
の近くで弾む飴の間
 このような行為に対しては、「天罰」が有効です。
飼い主が叱るのもムダではありませんが、
留守中なら犬は叱られないと思い、悪さをします。


ポイント9 仲間外れにされる事を犬はいちばん嫌う
 犬の性格と状況によっては、より効果的なやり方があるのです。それは犬を「見捨てる」方法です。
犬は「群れ」で生活する動物ですから、のけものにされるのをひどく嫌うのです。
この性質を利用しましょう。
 このように、犬が咬んだり、うるさくしたり、
客が来ると興奮する問題のいちばんの解決方法は、犬を10分くらいひとりぼっちにしてしまう事です。
・来客を歓迎して飛びつく子犬 ・ボール遊びをしていて、
ふざけて飼い主の手を咬む子犬
残される子犬


この方法は、毎回出かけるか、別の部屋に行く事になりますから手間が掛かりますし、
場合によっては友人にサクラを頼み、何度も練習しなければなりません。これが面倒なところです。


ポイント10 何度も、何度も繰り返す
反射条件を利用する
ロシアの学者パブロフはこのような実験を行いました。
@ベルを聞きながらエサを食べます。
犬はベルの音とエサを
関連づけるようになりました。
Aベルが鳴るとエサをもらえると
思うようになりました。
Bベルが鳴るとエサがもらえる
と思うようになります。
この考えは「おすわり」などにエサを用いて行なう場合に一般に広く利用されている方法です。


この考えを推し進めてみましょう。
犬にはあらかじめ、
「座ればエサがもらえる」
事を関連づけておきます。
うまくいけばこうなります。
・猫に吠える犬 ・飼い主が座れを命じる
・飼い主の「座れ」の命令に従う犬
・座った犬に褒美をやる飼い主
・猫を見ると静かに座る犬
この条件づけの方法を利用するにせよ、ある程度の時間がかかる事は覚悟してください。
犬のしつけの鍵とは一にも二にも忍耐と寛容です。


ポイント11 少しずつ、慣れされる
 表現はさまざまですが、簡単に言えば、弱い刺激を与えて慣らしていき、
強い刺激に対応しないようするのです。

↓雷におびえる犬
   
雷の音のテープを聞く          ⇒      雷に平気な犬
 テープに雷の音を入れて、小さなボリュームで聞かせて、犬が慣れてから徐々に大きくします。
 その間、犬と遊んで気を紛らわせてやると特に効果的があります。


 他の犬に対し攻撃的な犬にこのような方法を取り、成功する場合もあります。
この療法も子犬のうちに行なえば、
非常な効果が期待できますが、
成長するにつれて、徐々にその効果は減ります。


  ⇒  
          吠え合う犬                     別々のオリに入れられ近くにおかれた犬


ポイント12 犬をリーダーにしない
◆権勢症候群(アルファシンドローム)とは


 欧米では早くから「犬の問題行動の多くは、犬が自分がリーダーである、と考えることについて原因がある」と理解されていました。
「自分は家庭の中でいちばん偉いのだ」
 飼い主はこの問題を深刻に考えていないのが通例でしょうが、日本における犬の咬みつき事件は、
全体数として減っているにもかかわらず、飼い犬が、飼い主を襲う率が急激に伸びているのだそうです。


犬は、「自分がリーダーなのだ」と考えると……

・ブラシをかけようとする飼い主を咬む
オレの気に入らない事をした
部下を罰するのは当然だ

・飼い主が見ていない所で放尿をする
オレの縄張りに臭いを
つけておかねばならない

・飼い主が留守中に
クッションを咬む犬

・飼い主の制止を目尻に
郵便配達夫を追いかける犬

自分がリーダーなのだから、
あやしい奴は
追い払わなければならん

・飼い主の留守中に無駄吠えをする犬
部下たちはリーダーをおいて
外出してしまってけしからん

・引き綱を引っ張る犬
散歩はリーダーである
自分が先頭を切るのだ
以上の例が全て権勢症候群の症状であることは断言できませんが、その可能性は非常に高いのです。


◆権勢症候群の予防
◆子犬のときの注意点へ◆
◆子犬の飼い方◆を参照 支配性のあまり強くない犬を子犬のときから注意して育てれば、まずこの問題は起きません。
転ばぬ先の杖、というわけです。

◆権勢症候群の心理治療法
 咬む・吠えるなどの問題
〜第一段階〜
家族全員の密接な協力がこの療法の鍵となります。
また、以後、犬の寝場所はガレージ等、家人があまり近づかない場所に移してください。
・やってもよい事

・エサ、水をやる

・トイレに連れ出す
寝室・居間などは犬のリーダー意識を強化してしまうのではいけません。
食事も家族が終わってから、犬の寝場所で与えましょう。
 散歩もやめます。この状態を2週間続けてください。
重要な事は、家族全員の協力で、一人でも守らなかったら成功しません。


◆変化がみえる
 犬の態度に必ず変化が生じてきます。その変化を見届けても2〜3日続けてみましょう。
もし、何も変化が感じられない場合は、一応2週間を目安としてください。
・飼い主について歩く ・飼い主の前で引っ繰り返る ・下痢をする
 マーキング、机の上の物を取るなど、明らかに飼い主の関心を引こうとする行為が
新たに発生しても、もちろん、このような場合、飼い主はそれを完全に無視する必要があります。


〜第二段階〜

・「おすわり」を命じる飼い主

・座った犬の喉を
なでてやる飼い主
犬が近寄ってきたら「おすわり」もしくは「ふせ」を命じてから短時間、なでてやります。
散歩に出る、トイレに出す、エサをやるなど、
犬の好む行為をしてやる前に必ず何かを命令します。
このやり方は、家族全員がその先もずっと続けてください。
朝晩5分でよいですから、犬に簡単な訓練を行ないます。可能なら「体罰を与えない」事を方針とします。
以上を1〜2週間続けてください。もし以上が順調に進めば、心理的に犬は「リーダーの座から降ろされ、
飼い主がリーダーになった」と考えられます。


〜第三段階〜
問題が起きた行動を再現してみます。ただし、犬の気をそらせながら徐々に行なうのです。
@ボール遊びをする犬と
ブラシを手に持つ飼い主
Aボールをくわえた犬の背を
ブラッシングする飼い主
徐々に慣らし、最後は…
B仰向けになりブラッシングをうける犬
こうなれば成功です。
この方法は成犬に対して非常に効果が上がりますが、手間がかかるのと、
家族全員の全面的な協力が必要な点が難しいところです。
いちばんいいのは、子犬のときのしつけをまちがわない事なのです。


ポイント13 飼い主がご機嫌なら犬もハッピー
この方法もキャンベルの唱えるものです。
ただ、全ての犬に効果があるとは限らず、実施もなかなか難しい場合があります。
このような場合まず、権勢症候群の治療、第一・第二段階を実施します。
・花火におびえる犬
つまり、飼い主が犬のリーダーである事を確認するのです。
ついで花火の音をテープに取っておきます。
・ボール遊びを飼い主とする犬
花火の音を小さくしてかけ、犬の好む遊びをやります。そして、段々音を大きくします。
これがうまくいったら…


花火が始まったら楽しげにボール遊びに誘います。
花火が鳴ると、ボールを楽しげに持って来るようになります。

ただし、これがうまくいくには、条件がそろわなければなりません。
@犬にボール遊びなど、夢中になる遊びがある事
A飼い主がリーダーと認められている事


 この療法は犬にはリーダーの感情が伝染する性質を利用しており、リーダーが楽しそうに
していれば、犬も楽しい気分になるという考えが基本となっています。
ですから、権勢症候群の治療も必要となってくるのです。
 独立性の強い犬には効果が薄いようです。  


ポイント14 去勢・避妊をするのは犬にとって悲しいこと?
◆去勢・避妊のメリットを知ろう


 去勢・避妊の影響として、一般に男子は攻撃性、なわばり意識が低くなり、ヒート中の女の子に悩まされることが減ります。
異常興奮がおさえられ、性格が丸くなります。精巣に関する病気もなくなりやすくなります。
その代わり、活動性が低くなり、運動量が減って肥満になりやくなります。
 女の子は子宮、卵巣がなくなるため、その病気にかからなくなります。
ヒート中の出血で室内が汚れることもありません。
その代わり、男の子のようにマーキングをしたり、攻撃性が強くなったりすることもまれにあります。


◆決断を下すのは飼い主であるあなた自身


 去勢・避妊についての考え方は、個人の価値観、住宅環境などによって、さまざまです。
去勢・避妊をすると、動物としての本能的な行動が減り、飼いやすくなります。
反面、本来の犬らしさに変化が出ます。
 愛玩動物としての犬を飼いたいのか、犬らしい犬との暮らしを望むのか、飼い主さんひとりひとりの考え方に大きく左右されます。どれが正解と言い切ることはできません。 


 昔のように、犬がいつの間にか妊娠することは減りました。しかし、基本的な管理ができない場合や、攻撃性を改善できずに困っているなら、去勢・避妊をすることもひとつの方法です。


飼い主がメリットとデメリットを理解し、最善の道を選んであげることが必要です。


ポイント15 犬は社会勉強を、生後2〜4ヶ月で行ないます。
◆生後3〜15週の間に、生き方を学ぶ


 生後3〜15週間、つまりおよそ2〜4ヶ月齢を、犬の「社会化期」といいます。


この時期にさまざまなことを体験すると、多少のストレスには動じないタフな精神力が育まれます。
 反対に、この時期に飼い主以外の人やほかの犬、社会とのふれあいがない生活を送ると、臆病で内向的な性格になる可能性が高くなります。


◆さまざまな犬や、動物、ものとの出会いを体験させる


 子犬のときは、恐怖心よりも好奇心や探究心のほうが勝っています。その気持ちを大切にして、どんどん社会勉強をさせましょう。犬はもちろん、猫や他の動物、車や掃除機などの道具に近づく経験をつませることが大事です。生後5ヶ月をすぎると、しだいに警戒心が強くなっていき、見知らぬものにおびえるようになります。社会化期のうちに、できるかぎりまわりのさまざまなものに慣れさせるようにしましょう。


◆子犬のころ社会勉強ができなかった場合は?


 社会化の時期を失してしまい、「うちの犬は成犬だからもう変わらない」とあきらめていませんか。
少々出遅れたのは事実ですが、犬は大人になっても好奇心をもち、学習できる動物です。


 子犬ほど順応性はなくても、時間をかけて少しずつ慣れされていけば、十分に学習できます。



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